超格差社会より ひどいことって
やっと見れた 「パラサイト 半地下の家族」
日本も格差社会だなんて言うけど、この映画の格差はそんなもんじゃない
地上にすら住めない一家は、半地下の狭い部屋で、貧しいながらも逞しく図太く生きている、いや、生きていくしかない
その図太さが滑稽であり、時に幸せそうにすら見えることがある
ひょんなことから、裕福な家庭との縁ができて、超絶貧乏一家は この裕福な一家からの甘い蜜を吸えるだけ吸おうと、着々と計画を進めていく
そこまでは貧乏サクセスストーリーみたいで、痛快なのだ。そこまでは。
裕福な一家がキャンプに泊まりで出かけている間に、貧乏一家は勝手に上がり込み、優雅な時を満喫する。
豪雨の中、裕福の象徴である庭園を眺めている 貧乏一家。いけないことをしている中の幸せっていうのは、終わりがある故の儚い美しさがある。
退廃的な美
彼らが求めていた生活が一瞬でも実現したのだから これを幸せと呼ぶのかもしれない
でも 幸せも不幸せも連続の中の一部であって、切り取ることなんかできない
さて、この映画の監督が 伝えたかったことは何か。超格差社会が生み出したことの悲劇?
いや、私が感じたのはそこじゃなくて、
この映画で感じたのは、人間の尊厳について
人は貧乏には耐えられるのかもしれない
でも、本当に耐えられないのは
人がどうしても許せないものは
結末を見て、すごく ストンと腑におちた
裕福VS貧乏の構図ではない
そんなことを考えながらの帰り道
映画を1人で見たのは いつぶりだろう
映画っていい
今とても幸せなんだと思う
この幸せをかみしめつつ またこの連続の人生をすすむのです